庭やベランダにスペースの余裕があるようであれば屋外で金魚を飼ってみてはいかがでしょうか?屋外の睡蓮鉢や池にホテイアオイを浮かばせてその隙間を泳ぐ金魚たちを眺めるのはとても心落ち着くひと時でしょう。屋外で金魚を飼う際はメンテナンスに手間がかかりますが挑戦してみましょう!

屋外で金魚はどうやって飼う?

屋外でも金魚は飼うことが出来ます。屋外で金魚を飼う際は睡蓮鉢や発泡スチロール、プラスチック製のトロ舟など水漏れすることがあり得ないものなら大抵大丈夫ですが、水深があまり深くなるものは観賞に適さず、また金魚にとっても水面へ浮上するのが難しいため向いていません。一般的には水深が30cm程度になる容器を選んでください。池を作ってそこに金魚を放して飼うこともできます。屋外で金魚を飼うなら容器でも池でもビオトープという自然に近い環境を再現した中で金魚を飼うのも良いかもしれません。ビオトープ

屋外で金魚を飼育するときもエアーは必要?

エアレーション(ブクブク)無しでも金魚は飼えます

結論から言うと屋外ならばエアレーションなしでも金魚を飼うことはできます。屋外であっても屋内であっても条件さえそろえばエアーは無くても金魚を育てることは可能です。ただ、屋外の方がエアー無しでも金魚の飼育が簡単です。屋外でエアレーションやろ過装置の水流がない状態で金魚を育てる際にはポイントがあります。電源が確保できるのであれば補助として投げ込み式フィルターの設置も良いでしょう。

開口部の広い容器を使うこと

酸素は空気中に存在します。水面が空気と触れることによって大気中の酸素が水面から水に溶けだします。よって、なるべくならプラ舟などの開口部が広い容器を使った方が大気からの酸素を多く取り込むことが出来ます。

金魚を多く飼い過ぎない

あまり多くの金魚を屋外で一つの容器で飼育すると、多くの酸素が必要にになるため酸素不足になり金魚が死んでしまいます。屋外で金魚を飼う際は少なめに飼いましょう。

水草を入れる

水草などの植物は光合成によって二酸化炭素を酸素に変えます。カボンバ、マツモ、アナカリスといった水草が生育しやすく金魚飼育の初心者にもおススメです。また、ホテイアオイを浮かべるのも風流で金魚に似合います。ホテイアオイは睡蓮鉢との相性が抜群でおススメですね。

睡蓮鉢

屋外での金魚飼育の注意点は?

屋内での金魚飼育と違い屋外での金魚飼育は様々な環境変化が起こります。以下の点に注意しましょう。

鳥や猫などの外敵から金魚を守る

屋外での金魚飼育の一番の注意点は猫や鳥といった動物達から金魚を守ることでしょう。カラスや水鳥、猫などは屋外の金魚を狙っています。気づいた時には手遅れなんてことも。必ず、金網やガラス蓋など猫などが軽々と動かせないものを屋外の金魚の容器に乗せておきましょう。金網を使用する際はなるべく目の細かいものを使い、金網の上に重しを乗せ、猫などがいたずらできないようにガードします。100円ショップで売っているメッシュパネルを使うのも良いでしょう。睡蓮鉢には専用のメッシュ状のフタも売っています。

雨水が入るのを防ぐ

金魚の容器を直接雨水が入る場所に設置すると台風などの大雨の際に容器の水が溢れだし、最悪金魚が容器の外へ流されてしまいます。金魚は流されなくても浮草であるホテイアオイなどの水草は溢れた水とともに流されてしまい、庭やベランダに散らかっているなんてことも起きます。金魚の容器の満水対策としてスポンジを使うアイデアがあります。これは容器の端にスポンジを洗濯ばさみなどで固定し、スポンジの先から水が染み込み水を外に逃がすものでです。金魚容器の満水対策として専用の商品も売っています。また、トロ舟などを金魚の外飼いの容器として使っている場合は、トロ舟に穴を開け、そこに塩ビパイプなどを差し込んでオーバーフロー対策をすることが出来ます。

直射日光や水温の変化に注意

屋外の金魚

金魚を外飼いする場合は直射日光の当たる場所は避けましょう。直射日光は水温を上昇させます。また太陽の光が藻の繁殖を促します。藻の繁殖は見栄えが悪いだけでなく、水質が悪化し金魚にとって最悪な環境になります。屋外で金魚を飼育する際は日陰でなるべく庇などの屋根の下に金魚の容器を置きましょう。また雪が多い地域での金魚の外飼いは雪が降りこむ場所に金魚の容器を置くのは避けたほうが無難です。雪が降り積もると容器の水が全部凍ることはありませんが、水温が低下します。金魚は多少の水温変化には強いですが、低温がずっと続くことは金魚にとって好ましい環境とは言えません。

池を作って金魚を飼うにはどうすればいいの?

広い庭があるお宅に住んでいる場合は庭に池を作って金魚を飼育するのは夢ですね。ただし、注意が必要です。ただ、穴を掘って池を作るだけでは水は地面に吸収され池が干上がってしまいます。池を作る際は防水シートを敷きその上に土や砂利を入れて池らしい環境を作ります。また、コンクリートで池を作る際は「あく抜き」が必要です。コンクリートの原料であるセメントには水酸化カルシウムというアルカリ物質を含んでいて、アルカリ物質は金魚などの魚にとっては内臓障害を起こす原因になり、最悪の場合は死んでしまいます。あく抜きには金魚や鯉の池のために作られた市販のあく抜き剤も売っています。また、コート剤(プールなどに使用されるもの)を塗布するのも良いでしょう。あとは、コンクリートが完全に固まった後、そのまま放置し、野ざらしにすることでアルカリが中和されます。

金魚池

金魚の外飼い。おススメの容器は?

金魚の外飼い。おススメナンバーワンは睡蓮鉢

睡蓮鉢で金魚を外飼いはとても風流です。睡蓮鉢にホテイアオイを浮かべ、その隙間を泳ぐ金魚を眺めるのはとても癒されますね。睡蓮鉢で金魚を飼う際の注意点はカラスなどの外敵に注意してください。ネットなどで蓋をして金魚が外敵に食べられないように注意してください。また、エアレーションを行わない場合は軽石やソイルなどの多孔質の底石を敷くことで酸素を保つことが出来ます。ただし、ソイルは金魚が底をつつき水が濁ることがあります。

トロ舟を使って金魚を外飼いする

トロ舟とはコンクリートを練る時や土木工事、園芸で使われる頑丈なプラスチック製の立方体の容器です。トロ舟はコンクリートを練る際に使われることからとても頑丈で、日光や風雨などによる経年劣化が少ない容器です。ただし、土木工事に使われるような武骨な容器のため、トロ舟をそのまま金魚の外飼いに容器として使うと色気がありません。容器の外観を石や木材などで隠すか庭に埋めまた方が良いでしょう。ビオトープ化することによっておしゃれな金魚の外飼いの容器に変身します。

屋外での金魚飼育のまとめ

このようにちょっとした工夫と注意点のポイントさえ押さえれば屋外での金魚の飼育も可能です。元来は屋外で生きている魚の一種が金魚です。ただし、人工的な環境下においては酸素の問題や水替えの問題が発生します。特に屋外での金魚飼育は雨水が入り込んだり、日光によって藻が繁殖しやすくなったりと環境の変化が大きいです。必ずこまめに水替えを行いましょう

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僕たちの金魚。編集部

金魚の飼い方編集部です。金魚を飼い続けて早20年。初心者からベテランまで金魚の飼い方のコツや器具の解説をご説明いたします。