金魚の飼育は水槽を買い、金魚を買ってすぐに始められるものではありません。金魚をお迎えできる水槽の最適な水作りを行わなければならないのです。それが水槽の立ち上げです。水槽の立ち上げ方法には様々な方法がありますがここでは初心者でも簡単に取り組める水槽の作り方をご紹介いたします。また、ろ過装置や金魚の水槽に合うレイアウト。そして、金魚水槽の掃除の方法、金魚の水槽が汚れたり濁ったりした場合の対処方法もご紹介いたします。

目次

金魚の水槽の作り方、立ち上げ方法は?

金魚を飼う際に必要なもの

まず金魚を飼う際に必要なものを揃えましょう。最初に最低限必要なものは。。。

  • 水槽
  • ろ過器(ポンプ、フィルター、ブクブクと呼ばれているもの)
  • 砂利
  • 金魚のエサ
  • カルキ抜き

上記の5つは金魚飼育では最低限必要になるものです。これらを屋内での金魚飼育ならばなるべく直射日光のあたらない場所に設置してください。なぜ、直射日光を避けなければならないかというと、直射日光は金魚の水槽のコケの繁殖を促します。コケは金魚の水槽の汚れの原因になりますし、見栄えが悪いものです。また、直射日光があたることによって夏場の水温上昇の原因にもなります。

金魚の水槽の作り方その1:まずは砂利をセット

金魚の水槽の砂利は洗わなくてもそのまま使えるものが売っています。しかし、金魚の水槽の濁りを避けるために一度洗ってから使った方が無難です。バケツなどの容器に砂利を開け、お米を研ぐ要領で砂利を洗ってください。水槽の砂利を洗う時はフルイや大きめのザルを使っても良いでしょう。金魚の水槽に砂利を敷く量は水槽の底面から1cm~3cm程度の厚さで良いでしょう。あまり砂利の量が多いと後々掃除が大変になります。金魚の水槽の砂利は水質浄化に有益なバクテリアの住処になります。金魚の水槽の砂利でポピュラーなものは大磯砂と呼ばれるものが昔から使われています。

金魚の水槽の作り方その2:フィルターをセット

底面式フィルターを使う場合は砂利の下にフィルターを置くのでこの順番ではありません。金魚の水槽に上部式フィルターや投げ込み式フィルター、外掛け式フィルターを使う場合は水槽に砂利を敷いてからフィルターと呼ばれるろ過装置をセットします。水槽が小さく金魚の量も1,2匹程度であればエアレーションと呼ばれるエアーポンプにエアーストーンを付けてろ過を行わないで金魚を飼えなくもないのですが、金魚の水槽が汚れたらこまめに水替えが必要になります。したがってろ過装置は最初から使った方が良いでしょう。

金魚の水槽の作り方その3:水槽に水を入れる

金魚の水槽に砂利やフィルターなど必要なものを入れたら水を入れてろ過装置を稼働させてください。金魚の水槽に水を入れる際は静かにゆっくりと水を入れましょう。なぜならば砂利を巻き上げるようにジャバジャバと水を入れると水槽の水が濁ります。水を濁らせないように静かに水を入れてください。水槽に水を注ぐ時は発泡スチロールや木片などを水に浮かべながら水を注ぐと水槽の砂利を巻き上げず、水槽が濁ることなく水槽に水を注げます。

金魚の水槽の作り方その4:カルキ抜きを入れてしばらく放置

金魚の水槽に水を注ぎ終わったらろ過装置をオンにし、カルキ抜きを入れてください。カルキ抜きとは金魚の水槽に水道水を使う場合、水道水の塩素を中和するために必ず必要にになります。水道水の塩素の量は人間にとっては無害ですが、金魚にとっては少々強すぎるのです。カルキ抜きを入れてすぐに金魚を水槽に入れることはできません。最低でも1日は水槽を放置することにより、カルキが抜け、バクテリアが住み始め、水質が安定します。これを水作りと言います。

金魚を水槽に入れるのは水合わせしてから!

金魚を水槽に入れる前にしっかりと水合わせをしましょう。水合わせとは金魚を新しい水槽の環境に慣らすために行なうものです。金魚をホームセンターやアクアリウムショップで購入するとビニール袋に入った状態で渡されます。そのビニール袋に金魚を入れたまま水槽に30分程度浮かべます。金魚の水槽の温度に合わせるためです。30分ほど経ったら、袋の口を開け、水槽の水と袋の中の水をちょっとずつ交換します。3~5回程度で水槽の水と交換し、その後金魚を水槽にゆっくりと泳がせます。これが水合わせと呼ばれる行為です。

金魚の水槽のレイアウトはどうする?

金魚の水槽のレイアウトのポイントは「置きすぎない」

金魚は水槽のサイズに合わせるように大きく成長します。そのためレイアウトの飾りを置きすぎると成長の邪魔になります。また、和金をはじめとする流線型の形の金魚は泳ぎが速く、金魚が泳ぐ際にレイアウトにぶつかって金魚の体に傷を付けることもあります。金魚の水槽のレイアウトはなるべくなら角のない丸い石や流木などを選びましょう。水草も多すぎると泳ぎの邪魔になります。金魚が水草の根を食いちぎったりするので水槽の水質の悪化やフィルターのつまりの原因になります。

水槽レイアウトおススメは「石」!

金魚の水槽のレイアウトでおススメはズバリ「石」です。水槽のレイアウト用の石は金魚が売っているホームセンターやアクアリウムショップならば水槽レイアウト専用の物が販売されています。石を金魚の水槽のレイアウトに用いると、金魚の先祖であるフナが泳いでいるような川底の情景を作ることが出来ます。シンプルで簡単で味わいのある情景です。水槽のレイアウトの石は溶岩石や風山石と呼ばれるものが売っています。金魚の水槽のレイアウトとして石を用いる際は角の丸っこい物を選びましょう。庭などの落ちている石を使っても良いでしょう。拾ってきた石を水槽のレイアウトに使う場合はよく流水とたわしでで洗ってから使ってください。

流木をレイアウトするのもおススメです

流木は木片が川の流れなどにもまれ、角が取れ、独特な風合いを出している水槽のレイアウトの定番商品です。流木はホームセンターやペットショップで売っていますが、お土産屋さんや道の駅などでも見かけます。またフリマアプリで売っているのも見かけます。アクアリウムショップで売っている流木は煮沸し、あく抜き不要として売っているものが売っています。それ以外のものはあく抜きをしてから水槽のレイアウトとして使ってください。流木のあく抜きとはバケツなどに着け置いたり、鍋で煮たりして流木のあくを抜きます。流木のレイアウトは石と合わせてレイアウトするのも良いでしょう。

水槽に水草をレイアウトする

金魚の水槽に水草をレイアウトするのも良いでしょう。アナカリス、カボンバ、マツモと言った水草の種類が金魚の水槽のレイアウトとしてポピュラーではないでしょうか?睡蓮鉢などの開口部に何もセットしていない場合はホテイアオイなどの浮草タイプの水草も水槽のレイアウトとして良いですね。水草を金魚の水槽にレイアウトする場合は水草の根が浮いてしまわないようにしっかりと砂利に埋めてください。金魚の水槽にあまり多くの水草を植えるとフィルターの目詰まりの原因となるので注意が必要です。

金魚の水槽のポンプは何が良いか?

金魚の水槽には様々な種類のポンプがあります

ここで一般的に金魚の水槽のポンプとして呼ばれているものは2種類あります。空気を水槽に送り込むエアーポンプ。水を上部式フィルターなどに汲みあげるポンプの2種類です。エアーポンプの場合は投げ込み式フィルターと一緒に使うことでろ過装置の一部として機能します。エアーポンプにエアーストーンを付けただけでは、単に空気を水中に送り込むだけなのでろ過装置の役目はありません。ここでは水槽のポンプを使ったろ過装置をご紹介いたします。

安価なのは投げ込み式フィルター

一番安価なろ過装置は投げ込み式フィルターです。金魚の水槽の大きさに合わせて投げ込み式フィルターの大きさを選べばそこそこのろ過能力はあります。各社S,M,Lといったような水槽の大きさに合わせたフィルターが売っています。池用の特大サイズもあります。ただし、投げ込み式フィルターのフィルターはその大きさから目詰まりが早いのでこまめなフィルターの交換が必要です。投げ込み式フィルターの交換用フィルターは各社形状が様々なので必ず専用の交換用フィルターを購入してください。

スタンダードな上部式フィルター

投げ込み式フィルターよりろ過装置の値段は張りますが、上部式フィルターはろ過能力やメンテンナンス性も考えると金魚の水槽のろ過装置としてはベストな選択です。上部式フィルターはポンプの力で水槽の水を汲みあげて、濾過槽のフィルターで水を処理するものです。交換マットはサイズさえ合えば市販品が多く出回っています。また、濾過槽に活性炭やウールで出来たマットを仕込むことでろ過能力を上げたり、多孔質素材のリングと呼ばれる物を設置することで金魚の水槽内のバクテリアの定着を促すことも出来ます。

外掛け式フィルターも便利

外掛け式フィルターは上部式フィルターのように水槽の水を汲みあげてろ過する方法ですが、上部式フィルターは濾過槽が水槽の上部に設置するものに対して、外掛け式フィルターは水槽の外側に設置するものです。値段は投げ込み式フィルターと上部式フィルターの間といったところでしょうか。水槽の水の処理能力は上部式フィルターより劣りますが、水槽の上部を塞がないので金魚を水槽の上から鑑賞する事が出来ます。

その他、底面式フィルターや外部フィルターなども

金魚の水槽で使うことはあまりないようですが、そのほかにも水槽のろ過装置として販売されいるものは底面フィルターやフィルターと呼ばれているものがあります。底面フィルターは水槽の砂利の中にフィルターを埋め水槽の砂利全体がフィルターの役目をします。水草水槽で使われること多いようです。外部フィルター、外部ろ過装置と呼ばれるものは水槽の水をポンプの力で外部のろ過装置に吸い上げ、強力な濾過槽で水槽の水をろ過し、水槽に水を戻すものです。その強力なろ過能力から水質に敏感な海水魚や渓流魚、熱帯魚を水槽で飼う際に使われることが多いです。

金魚の水槽の温度管理は?

金魚の水槽の水温は15~28℃がベスト!

金魚の水槽の水温は15~28℃が金魚にとってちょうどよく、この水温の範囲なら金魚は元気に水槽を泳ぐことが出来るでしょう。水槽の水温が10℃を下回ると金魚は冬眠のような状態になります。あえて冬場に水温を低くしたままにして春に産卵を促すことも出来ます。金魚の水槽の冬場の水温は特別、神経質になりすぎる必要はありません。関東平野部の一般的な室内なら、水槽にヒーター無しでも金魚は元気に泳いでいます。筆者は関東住まいですが、ヒーター無しでも金魚は元気に水槽の中を泳いでいます。

水槽にヒーターを使う際の注意点

冬場に水槽の温度が10℃を下回る環境で金魚を育てている場合は水槽にヒーターを用います。金魚の水槽にヒーターを使う場合は必ず水槽用の水中で使えるヒーターを使ってください。ホームセンターやペットショップでは爬虫類用のヒーターも販売されているので必ず、金魚の水槽で使う場合は水槽用のヒーターを買ってください。温度調整の出来るサーモスタット付きでヒーターカバーのあるものが便利です。水槽ヒーターは水槽内のガラス面に沿わすように設置するとレイアウトの邪魔になりません。

夏場は冷却ファンを回して水温を下げる

ここ数年の猛暑では気温が35℃を上回る日が続くことも多いです。そのような環境下に置かれている金魚の水槽は水温が30℃を上回ることもあります。1日中部屋の冷房をオンにしていれば水槽の水温を下げることが出来ますが、電気代の節約のためにも水槽用の冷却ファンで風を送ることによって水槽の水温を下げることが出来ます。水槽用の冷却ファンの仕組みはとてもシンプルです。ファンの力で水槽に風を送ると水槽の水が蒸発します。その際の気化熱で水槽の水温を下げる仕組みです。ただ、水槽に冷却ファンを取り付けると水槽の水の蒸発が促されます。冷却ファンを付けていない時より水槽の水面の低下が早いので水か少なくなったら適宜、水槽に水足しを行ってください。水槽用の冷却ファンはパソコンの冷却ファンを使って自作する趣味人もいます。

金魚の水槽の砂利は何を選ぶ?

ソイル以外なら大体のものは金魚水槽に使えます

金魚の水槽の砂利選びはソイルと言われる砂利以外であれば大抵の水槽用の砂利であれば問題ないでしょう。ソイルとは土を固めたものです。水草水槽に使われることが多いです。多孔質のためバクテリアを保持しやすく水槽の水質安定には抜群の効果があるのですが、ソイルはその素材から崩れやすいのが特徴です。金魚は水槽の中で口をパクパクと水槽の砂利をつつきます。その際にソイルだと崩れやすく、水槽の濁りの原因となるので注意が必要です。

金魚の水槽は大磯砂がポピュラーです

金魚の水槽で昔から人気があり、最もポピュラーなのが大磯砂。黒系の色で米粒より少し大きなサイズの砂利です。その名の通り、以前は神奈川県の大磯海岸が採取地でしたが大磯海岸での砂利採取が禁止されたため、現在は海外から大磯砂に似たような砂利が水槽用の大磯砂として輸入され販売されています。大磯砂は水槽用の砂利の中で比較的安価である事も人気の秘訣です。水槽に入れる砂利は必ず水槽用の砂利を購入して使いましょう。ホームセンターなどで購入できるDIYや土木工事用の砂利ではゴミや油、アクも混ざっていることもありおススメできません。

金魚の水槽の掃除方法

金魚の水槽の掃除では洗剤は絶対NG!

金魚の水槽を掃除する際は絶対に洗剤は使わないでください。洗剤の成分によってせっかく定着した有益なバクテリアが死滅します。また、水槽のガラス面や砂利などに残った微量な洗剤成分が残り、その洗剤成分が金魚に悪影響を及ぼします。最悪の場合、金魚が全滅してしまいます。金魚の水槽を掃除する場合は水槽内の残った水か水道水を使い、水槽に付着したコケはスポンジやたわしを使って取り除き、水で洗い流しましょう。

水槽に3分の1程度水を残す

金魚の水槽の掃除方法はまず、金魚を別の容器に移します。金魚を別の容器で一時的によける際は、今まで使っていた水槽の水を使ってください。そして、水槽の水を水槽掃除用のポンプなどを使って水を捨てます。水槽の水が3分の1程度になったら水槽に残った水を使って水槽のガラス面をスポンジやたわしで洗います。水槽がアクリル製の場合、金たわしをを使うと水槽を傷つけます。フィルターの清掃と水槽の掃除は1か月ごとに交互に行った方がバクテリアを残すことが出来ます。

水槽に水を入れてカルキ抜きをする

金魚の水槽がきれいに掃除出来たら、水を規定量入れ、カルキ抜きを入れてしばらくろ過装置を回します。水槽に水を入れてすぐに金魚を戻してはいけません。カルキ抜きで水槽内の水道水の塩素を中和し、しばらく水を安定させてから水槽に金魚を戻しましょう。季節にもよりますが、時間にして1時間くらいは空けてください。冬場は長めに時間を取ってください。金魚を水槽に戻す際は金魚の水合わせの要領で金魚を水槽に戻してください。

金魚の水槽の濁りを除去する方法

金魚の水槽が濁った場合は濁りの原因を知る

金魚の水槽の濁りは様々な事が考えられます。水草のカスや砂利の汚れで物理的に汚れている場合もあれば、水槽内のバクテリアが減少してアンモニアが発生して水槽の水質が悪化し、水槽が濁っている場合もあります。またコケが大繁殖をして水槽が濁る場合もあります。よく池や沼などで見られる濁りと同じです。水槽の濁りの原因を良く知って水槽の濁りの対処をしましょう。

白にごりと呼ばれる水槽の濁りについて

水槽の白にごりと呼ばれる現象は水槽内のバクテリアの減少によって引き起こされる濁りです。水槽の水替えを行ったときや、水槽の立ち上げ時、砂利をきれいに洗ったり、ろ材を交換した際、また水槽の掃除を怠ったときに水槽の白にごりは発生します。白にごりの際はアンモニアが発生していることもあるので水槽の水が臭います。エサのやり過ぎで食べきれない金魚のエサのカスが腐敗し、白にごりを起こすこともあります。

水槽の白にごりの対処方法

水槽に白にごりが発生した場合はまず、金魚を別の容器に移した上で水槽の半分くらい水を替えます。水を全て入れ替えてはいけません。なぜならば、生き残ったバクテリアも全て流してしまう事になるからです。水を入れ替えたら、ろ過装置を水槽の白にごりが取れるまで回します。この時、投げ込み式フィルターなどを使ってろ過装置を増やすと効果的です。ろ過バクテリアを早く増やすことをイメージして下さい。それでも水槽の白にごりや臭いがおさまらない時は水槽のリセットです。水槽を立ち上げ直してください。水槽のリセットは砂利はきれいに洗い天日干しにします。水槽、ろ過装置もきれいに洗いあげてください。

根本的に白にごりを起こさないために

水槽の白にごりの原因と対処方法が分かったところで水槽の白にごりを起こさないように根本的な対処をしましょう。適切な水槽の掃除方法に留意し、エサは適量にとどめてください。それでも白にごりする場合はろ過能力のアップを図りましょう。上部式フィルターの補助で投げ込み式フィルターを用いるのも良いでしょう。筆者の金魚水槽も上部式フィルター+投げ込み式フィルターです。今のところ白にごりは起きていません。また、水槽のろ過能力のより強力な底面式フィルターや外部フィルターへの変更を考えても良いでしょう。

The following two tabs change content below.

僕たちの金魚。編集部

金魚の飼い方編集部です。金魚を飼い続けて早20年。初心者からベテランまで金魚の飼い方のコツや器具の解説をご説明いたします。